「ブランド力が無い」「ブランディングに力を入れなきゃ」などなど、マーケティングに関わっていると日常的にブランドという言葉が飛び交いますが、そもそも「ブランドってなんで大切なの?」という純粋なる質問にスカッと回答出来ないとね。

何故ブランドは重要なのか?

消費者にとって : ブランドが日々の活動を容易にしたり生活を豊かにするから。
企業にとって : ブランドが消費者に影響を与え、売買でき、将来の持続的な収益を確保してくれる非常に価値の高い法的財産だから。


ブランドの果たす役割 
<消費者>
・製品の製造元の識別
・製造責任の所在の明確化
・リスクの軽減
・探索コストの軽減
・製造者とのプロミス、絆、約束
・シンボリックな装置
・品質のシグナル
<製造業者(企業)>
・製品の取り扱いや追跡を単純化するための識別手段
・独自の特徴を法的に保護する手段
・満足した顧客への品質レベルのシグナル
・製品にユニークな連想を与える手段
・競争優位の源泉
・財務的成果の源泉

製品の3つのカテゴリ

・探索財 : 食料品のような、消費者が目で見て郷土、大きさ、色、スタイル、デザイン、重量、成分構成など製品属性を評価できるもの。
・経験財 : 自動車タイヤのような、製品属性が目で見ただけでは簡単に評価できず、耐久性、サービス品質、安全性、扱いやすさや使いやすさを判断するには、実際に製品を試して体験する必要があるもの。
・信頼財 : 保険のような、製品属性がよくわからないもの。
⇒ 評価や解釈が難しい経験財・信頼財においてブランドの重要性は特に高い。


(補足)
ブランドが役割を果たす「リスクの軽減」 について
消費者が製品を購入する際に知覚するリスク
・機能的リスク : 期待した水準の機能を製品が果たさない。
・身体的リスク : 製品が使用者などの身体や健康に危害を与える。
・金銭的リスク : 支払った価格に製品が値しない。
・社会的リスク : 製品が他社に迷惑をかける。
・心理的リスク : 製品が使用者の精神に悪影響を与える。
・時間的リスク : 製品選びの失敗によって、満足のいく他の製品を探す機会コストが発生する。

(補足)
ブランドの「シンボリックな装置」としての役割

特定のブランドは特定のタイプの人々を連想させ、それぞれに異なる価値観や特質を反映する。つまり、初対面の人の身なり服装、持ち物から「このブランドを身に着けている人は『こういうタイプの人』」と第一印象と想定することがありますよね。この機能です。ブランドに付随するイメージを、その人のメッセージとして発する役割をブランドが担っているということですね。