研究ノート

私的な勉強の記録です。

マーケティングとブランドの勉強をし直すために作ったブログです。事例やニュースの蓄積なんかもしていきますが、当面は「戦略的ブランド・マネジメント 第3版」(ケビン・レーン・ケラー)を読みブランドの復習をしながら、メモを残していきます。勉強中なので生暖かく見守ってください。

2-4.強いブランドの構築:ブランド構築の4つの段階(つづき)

第1のブランド・イメージ連想の集合は、ブランドを使用する人や組織のタイプを示すもの。
 
デモグラフィック要因 
1)性別 2)年齢) 3)人種 4)所得
※ブランドにはそれぞれ、1)~4)にかかるイメージがある。例えば、「メルセデス・ベンツ」は金持ちとか。男性的なブランド、女性的なブランド、若いイメージ、年寄りなイメージなどのことですね。 
サイコグラフィック要因
 
人生、キャリア、財産、社会問題、政治制度などへの態度。
※例えば、ブランドにより、その使用者が革新的であるとか保守的であるとかみなされること。

第2のブランド・イメージ連想の集合は、消費者がどのような条件下や状況下でブランドを購入し使用するかを示すもの。

※チャネルタイプ(百貨店、専門店、インターネットどこで購入するか)、使用状況(いつ使うか、どこで使うか、どのような活動で使うか)

・消費者の経験やマーケティング活動によって、ブランドがパーソナリティを有することもある。
・ブランドが価値観を有することもある。

ブランド・パーソナリティの5つの次元:
誠実さ(現実的、正直、健全、朗らか)、興奮(大胆、元気、想像力に富む、現代的)、能力(信頼できる、知的、成功している)、洗練(上流階級、魅力的)、頑丈さ(アウトドア好き、タフ)

ブランド・パーソナリティはどのように形成されるか?
・マーケティング・プログラムのどの要素も影響を与えるが、中でも広告の影響が強い。
・ブランド・パーソナリティが確立されると、消費者からそのパーソナリティに合わないとみなされた情報は受け入れられにくくなる。
・使用者イメージとブランド・パーソナリティは必ずしも一致するものではない。
・パフォーマンスに関連するブランド属性が消費者の意思決定を大きく左右する場合、例えば食品などでは、ブランド・パーソナリティと使用者イメージの結びつきは低い。

※どこまでまとめてたかわからなくなったので、一旦ここまで。


2-4.強いブランドの構築:ブランド構築の4つの段階

(CBBEモデルによれば)ブランド構築には一連の段階を踏まなければならない。

1.ブランドと顧客とのアイデンティフィケーション(同一化)、顧客のマインド内にあるブランド連想と特定の製品クラスや顧客ニーズとのアイデンティフィケーションを確立させること。
2.特定の性質を持つ有形、無形の多くのブランド連想を戦略的に結びつけ、顧客のマインド内にブランド・ミーニング(意味)の総体をしっかりと構築すること。
3.上記のブランド・アイデンティフィケーションとブランド・ミーニングに対して、顧客の適切なレスポンス(反応)を引き出すこと。
4.ブランドへの顧客の反応を変化させて、顧客とブランドの間に強く活発なロイヤリティのリレーションシップ(関係)を創出すること。

上記の4つの段階について、顧客がブランドに対してよく投げかける基本的な一連の質問。

1.あなたは誰なのか?( ブランド・アイデンティティ)。
2.あなたは何なのか?(ブランド・ミーニング)
3.あなたはどういう状況なのか。私はあなたをどのように思い、どのように感じているのか(ブランド・レスポンス)。
4.あなたと私の関係はどうなのか。私はあなたとどのような関係を待ち、どれだけ深く関わりたいか(ブランド・リレーションシップ)

※ブランド構築には正しい順番が大切ってことですよね。施策もどのステップを目的としているのかを明確にしておかないと。

ブランド・ビルディング・ブロック

ビルディング・ブロックを上がるのはブランド構築の比較的「合理的なルート」

    <ビルディング・ブロック>    <ブランディングの目標>
1)       レゾナンス          強く活発なロイヤルティ
       ↑         ↑
2)  ジャッジメント  フィーリング    ポジティブで好意的な反応
       ↑         ↑
3)  パフォーマンス   イメージ    類似化ポイントと差別化ポイント
       ↑         ↑
4)        セイリエンス         深く幅広いブランド認知

※右側は比較的「情緒的なルート」 両側を上り詰めれば、最強のブランドが構築できる。


ブランド・セイリエンス = ブランドの突出性
 ⇒ 高い突出性をもっているブランドは、ブランド認知の深さも幅もある。

ブランド想起を十分に理解するには、製品カテゴリの構造、すなわち製品カテゴリが記憶の中でどのように構成されているか正しく理解する必要がある。

<ブランドカテゴリ例>
飲料-水
 L 味つき - ノンアルコール - ワイン / ビール / 蒸留酒
        L  アルコール - 牛乳 / ホットドリンク / ジュース / ソフトドリンク

多くのブランドで問題になるのは、消費者がブランドを思い出せるかどうかではなく、いつ、どこで思い出すか、どれほど容易に、またどれだけ頻繁に思い出せるかという点。多種多様なシーンで思い出されるブランドは充分な消費量を確保される。

ブランド・パフォーマンス 
= 製品やサービスが、機能面の顧客ニーズをどの程度満たすか。

ブランド・エクイティの核心は、製品そのもの。
消費者のニーズやウォンツを満たす製品を提供することが、マーケティングを成功させる必須条件。

ブランド・パフォーマンスの基礎は、以下の5つのタイプの重要な属性とベネフィット
1) 主要な成分とそれを補う特徴
2) 製品の信頼性、耐久性、サービス性
3) サービスの効果、効率、サービスとの共感
4) スタイルとデザイン
5) 価格

ブランド・イメージ
ブランド・イメージは製品やサービスの付帯的な特性に依存している。
ブランド・イメージはブランドの無形の側面に関わりが深い。
⇒ 消費者自身の経験、広告や口コミから間接的に連想を形成する。

ブランドに結びつく主要な無形要素
1) 使用者のプロフィール
2) 購買状況と使用状況
3) パーソナリティと価値
4) 歴史、伝統、経験


長くなったので続く。

2-3.ブランド・エクイティの源泉

「ブランド・エクイティは何から生まれるのか?」という質問に対するメモになるかな。

※低関与下の意思決定では、消費者は単になじみがあるという理由だけでブランドを選んでいる。

ブランド・エクイティの源泉 ⇒ ブランド認知とブランド・イメージ

ブランド認知

ブランド認知は、「ブランド再認」と「ブランド再生」から成り立っている。

ブランド再認とは:
ブランドが手がかりとして与えられたときに、消費者が過去に当該ブランドに接した経験を強く思い出す能力。
要は店に行って、過去に接したことのあるブランドを、これだと認識できるかどうか。

ブランド再生とは:
製品カテゴリ、カテゴリが満たすニーズ、購買状況や使用状況が手がかりとして与えられたときに、消費者が当該ブランドを記憶から呼び起こす能力。

ブランド認知の利点
1) 学習による利点
 ブランド・イメージを生み出すには、まず消費者の記憶にブランド・ノードを確立しなければならない。
2) 考慮における利点
 ブランド認知を促すことで、当該ブランドが考慮集合(購入の際に真剣に考慮される少数のブランド)に含まれる可能性が高まる。
 ※パートリスト・キューイング効果:ある情報を想起すると他の情報の想起が妨げられる
3) 選択における利点
 低関与下でのブランド選択では、最小限のブランド認知がアレば十分であり、ブランドに対する態度が確立していなくても構わない。

低関与について
消費者の購買動機が欠如している(消費者が製品やサービスに関心を持っていない)場合、あるいは購買能力が欠如している(消費者がカテゴリー内のブランドについて何も知らない)場合に、低関与という結果が発生する。

1.消費者の購買動機
カテゴリ内のブランド間で知覚差異が小さいことにより、消費者はブランド選択をしようという動機を失っている。。
2.消費者の購買能力
製品品質を判断したくても、判断に必要な知識や経験が消費者に欠けている製品カテゴリもある。

ブランド認知の確立
ブランド認知を生み出すには? = ブランドを繰り返し露出しブランドへのなじみを深めれば良い。
⇒ これはブランド再生よりもブランド再認に有効
⇒ ブランド再認にはブランドとカテゴリの結びつきを強調するマーケティング・プログラムが重要。

奇をてらったテーマの広告は場合によっては消費者にかなりの嫌悪感を抱かせることになることもある。極端だと思われ、長期的なブランド・エクイティの構築にほとんど貢献しない。

ブランド再生のためには:
繰り返しブランドを露出してなじみ深さを高めること、ブランド再生のために製品カテゴリその他重要な購買や消費の手がかりとの強い連想を構築すること。

ブランド連想はマーケティング活動意外にも、多種多様な方法で形成できる。
⇒ 情報源の影響力を認識し、コミュニケーション戦略の策定し、それらを適切に管理・把握の必要がある。

ザ・ボディショップ ⇒ 従来型の広告手法を使わずブランドを確立

ブランド連想の強さ

消費者が製品情報について深く考え、既存のブランド知識に結びつけるほど、結果として生じるブランド連想は強くなる。

情報との連想を強める要素は2つ
1)個人的な関連性があるか
2)長期にわたって一貫性を持って提示されているか

ブランド属性:製品やサービスを特徴づけている記述的特性
ブランド・ベネフィット:消費者が製品やサービスの属性に付与する個人的な価値や意味

ブランド連想の好ましさ
消費者にとって望ましい(便利・信頼できる・効果的・効率的・カラフルなど)ブランド連想が、製品によってきちんと実現され、マーケティング・プログラムによって消費者に伝達されてはじめて、好ましいブランド連想が生まれる。

望ましさの3つの要因:消費者がブランド連想に対してどれだけ関連性、独自性、信用性を見出すか。
実現性の3つの要因:製品が有している実際的あるいは潜在的パフォーマンス、そのパフォーマンスを伝える現在あるいは将来の見通し、実際のあるいは伝えられたパフォーマンスの持続性

ブランド連想のユニークさ
 ブランド・ポジショニングの本質 ⇒ 消費者に買ってもらう理由を与える持続的な競争優位性=「ユニーク・セリング・プロポジション(USP)」

戦略的ブランド・マネジメント 第3版
戦略的ブランド・マネジメント 第3版